今でも、味噌やお茶を手作りする家って、あるのかなぁ。

田舎の家では、味噌やお茶を手作りしていました。

 

専業農家だったので、野菜はいくらでもあります。
外食することなどめったにありませんでした。

 

お正月やお盆に親戚が集まるお客。
結婚式の折り詰め、葬式の精進料理がいつもとは違う料理でした。

 

ちょっとお祝い事があるたびにお赤飯を炊き、
重箱に詰めたものを近くの親戚に届けるのが、
子供のころの私の役目でした。

 

祖母の作る握りずしは、小判状の酢飯に、大人は酢じめした魚とシソ、
子供用には玉子焼きが両面についていました。
握り寿司とはそういうものだと、私はずっと思っていました。

 

年末になると臼と杵で餅つきをします。
親戚が集まり、親戚中の餅をつきます。つきたての餅はほんとに美味しい。
たくさんの鏡餅と焼きもちや雑煮に入れる小さな丸い餅が、
竹を編んだ100X150cmくらいのバランに並べられ、
座敷中がお餅になりました。

 

お餅をついたときに、あられ用の餅を作り、
数週間して、それを5mmほどにスライスし、それをまた小さく切って、
網でできた蓋つきの道具に入れて炭の上で丁寧にあぶると、あられができます。

 

祖母はできたあられにしょうが汁と黒砂糖をからめ、
さっぱりとして美味しいあられにしてくれました。
私の大好きなおやつでした。

 

今考えると、とても豊かな食生活だったんだなぁと思います。

 

そんな私の家にも、いつの間にか袋入りの駄菓子が増え、
インスタントラーメンが当たり前のように存在するようになりました。