じぃちゃんとナナ

2019年10月1日

車がないので、久しぶりに電車に乗り、

駅からは歩いて仕事場へ行きました。

 

会えるかなぁ元気かなぁと思っていたら、

案の定、ホウキで庭を掃く音が聞こえてきました。

 
じぃちゃんは、いつもこの時間に庭を掃いているのです。

 

通勤途中にあるこの家には、

ナナという肥った柴犬がいます。

肥りすぎて、柴犬に見えません。

何年か前に、このじぃちゃんとナナの写真を応募したら、

カレンダーの一枚になりました。

 この写真です。

 

出来上がったカレンダーを持って、

じぃちゃんのところへ行くと、

「あれが生きてたら、喜ぶんだけどなぁ。

半年前に、病気で死んじまったんだよ。

仏壇にあげさせてもらうよ。ありがとうな。」

 

あれから、3年が経っていました。

今日もじぃちゃんとナナに声をかけました。

 するとじぃちゃんは、「なんでこの犬の名前を知ってるんだい?」と言うのです。
 
あはは、忘れられてしまった。

 
いいんだよじぃちゃん、忘れても。
 

私は仕事に行くとき、この家の前を通るのがずっと楽しみだったよ。

それに、ナナはちゃんと覚えていてくれたよ。

 

またいつかここを通るときまで、元気でね。

 

仕事場は大きな公園の一角にあります。

昼休み公園に行ってみると、先日は硬いつぼみだった河津桜が、5分咲きでした。