つれづれにしたためる ストーリー①

2019年12月18日

テレビで四国に祖谷(いや)という秘境があると知り、いつか行ってみたいと思っていました。

去年、田舎(大分県臼杵市)に帰省したとき、臼杵‐八幡浜フェリーで四国に渡り、松山からレンタカーを借りて、まずは四国カルストへ行きました。

松山から石鎚山スカイラインを走ってから四国カルストへ向かったので、すっかり夜になってしまいました。

民家も街灯も何もない真っ暗な道をナビを頼りに、「この先にほんとうにホテルがあるんだろうか・・」と不安な気持ちでいっぱいになりながら運転しました。

着いてみるとホテルの周りには、何もありません。真っ暗で何も見えない。
ホテルの中のレストランで食べればいいやと思い、夕飯の予約はしませんでした。

レストランへ行くと、山の中なので予約以外の食事は用意していないと言われました。
遅くなったので途中で食べず、お腹を空かせて走ってきたのに、あるのは売店のミレービスケット。

しかし受付けの人が、料理長に話してくれ、親子丼でよければと特別に作って頂けました。

親子丼とみそ汁、漬物。最高に美味しかった。
栄養とか糖質とか体にどうのとか、全然考えられない。

次の日、約200㎞を走り、祖谷の民宿「山の里」に到着しました。

心のこもったご飯が、ほんとうに美味しい。

民宿に2泊し、念願の東祖谷、落合集落に行き、まずは落合集落が正面から見える、一番眺めのいい場所から写真を撮りました。

いったん下り、車で落合集落の一番上まで登ると、そこは農家の庭先でした。

下りかけ、あまりにすごい景色なので写真を撮っていると、おばあさんが話しかけてきました。

おばあさんは、この山の下のほうの村で生まれ、この山の上にお嫁に来たそうです。

四方八方、山しか見えず、畑も広くはありません。ここで生まれ育ち83歳で元気に生きています。

どこも悪いとこはないけど、山を上り下りする坂道のせいで、膝の調子はよくないそうです。

 

私の田舎とは、けた違いの田舎。

おばあさんは、栄養バランスがどうとか食事法だとか、たぶん気にしたことがないと思います。
ここでできるものを有難くいただくだけです。

それで、健康で明るく元気です。

炭水化物を摂りすぎることのない、甘い人工的なものもない環境なら、余計なことは考えなくても長生きしている。

なんだかちょっぴり、自分が悲しくなったのはなぜなのでしょう。

 

 

認める(したためる)には、

・書き記す

・整理する

・処理する

・支度する

・食事をする

という意味があるそうです。

なんとなく、書いたり、食べたりするのが好きなので、タイトルにしてみました。