「地学」のドアが開いた、記念すべき日になりました。
今日は私にとって「地学」のドアが開いた、記念すべき日になりました。
私は今、とてもいい本を読み終えました。
私の仕事は地形模型を作ることです。 学芸員から渡された地形図を、等高線ごとに一枚づつスチレンペーパーにカーボンで写し、デザインカッターで切リ抜き、かさねていくという作業を繰り返します。
着色することもあれば、そのまま展示したりプロジェクションマッピングに使われたりします。
一枚の地図から、見たことのない地形が立ち上がり、大地のイメージが立体として把握できるようになるのです。山の形、河の流れ、平野の広がり、丘陵や崖、地図ではわからないことが、直感的に理解できます。
もう20年以上もこの仕事をしているのに、作り終えるとホッとしてしまいます。「地学」を学びたいという気持ちはあるのに、どこからどう取り付けばいいのかわからず、それらしい本を読んでも面白くなくて、やきもきというか、納得のいかない劣等感のような気持ちがいつもありました。
私が知りたいことを面白く書いてあって、基本的なことがわかって、どんどん読み進められる地学の本はないのだろうか。
先日、いつも一緒に仕事をしている学芸員が、この本は名著だからと教えてくれたのが、この「大地の動きをさぐる」杉村新 著です。
家に帰るとすぐにアマゾンで注文しました。
この本は、若い人に向けて、地球科学の初歩的な解説と自然科学を研究するときにぶつかる基本的な概念の解説をしながら、物語風に語られています。どんな仕事にも共通する、仕事への心構えや科学的なものの考え方がわかりやすく、心に響きます。
私は若くありませんが、好奇心のある初心者という意味では若者と同じです。 1973年に出版された本ですが、地学の本でわかりやすくて面白い、と思えるものにはじめて出会えました。
固く閉ざされていた「地学」へのドアがギギギ~と開いたような喜びです。
これはちょっと、私にとってすごくうれしいことです。
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