祝福してくれたのは満開のサクラだけでした。
こんにちは、ゆるまじです。
サクラの咲くころ、冬の名残のように寒くなるのを花冷えといいますが、
雪の降ることもあります。
明日ももしかしたら降るかもしれません。
満開のサクラだけが祝福してくれたあの日から、
今の夫と暮らし始めて3年が経ちました。
新しい生活は私の心を穏やかにしてくれました。
訳の分からない悲しみや苛立ちはウソのように消えたのです。
誰と暮らすか、一緒に生活するかはとても大事なことです。
海岸沿いに工場がどこまでも続き、その煙突から吐き出される煤煙が落ちてくるところに、
私の家はありました。
ベランダの白い手すりはマメに拭いても雑巾が黒くなってしまいます。
家は自分の希望を取り入れ、庭はイングリッシュガーデンをまねて自分で作り上げました。
家も庭も犬や猫も、小さな可愛い娘も幸せの象徴のようでした。
けれど家庭はうまくいかなくなりました。
いくら努力してもむなしい。努力すればするほどむなしい。
家の中や庭をいくら気持ちのいいものにしても、
心は打ち砕かれむなしい。
その人の口から出る言葉はむなしい。
春に冬の名残のような雪が降ると、
降りしきる雪の中を車が止まってしまったらどうしようと思いながら、
勇気をふり絞って前を向いて走ったことを思い出します。
もう引き返せないんだ。もう引き返したくない。
前に進むしかないんだ、そう強く思いました。
雪はどんどんひどくなり、坂道で前のトラックがスリップして
動けなくなったときはハラハラしましたが、
どうにか約束している場所へたどり着いた時はほんとうにうれしかった。
私はそれから前を向いて生きています。
サクラが満開になると、私はあの日の決心を思い出し、
これからもずっと、二人で仲良く健康に暮らしたいと願うのです。
明日から4年目です。
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